るいもの戯れ言

ショパンのノクターンの代名詞とも言える有名な曲。

構成は単純だけど、楽譜上、作曲者の指示が非常に多く、その1つ1つをどう表現するかが腕の見せどころとなる。第1小節目、左手にはスタカート指定。

続く小節にはスタカート無し。Sempreも無しなので、第1小節だけだ。

ただダンパーペダルを踏む指示もあるので、踏み込んでスタカートとなれば聴感上はスタカートあっても無くても変わらない。なので気にしないという考えもあるだろう。実際そう弾いているピアニストも多い。しかしわざわざ、このように楽譜上の表現を変えているのだから、やはりスタカートをきちんと生かすべきだろう。つまりスタカートの部分ではダンパーペダルは、踏まないかハーフペダルとしてスタカートを生かすべきだ。

最後のクライマックスにも同様なスタカーティシモ指定。

ここもペダルを踏み込んでスタカーティシモでは違いが分からないわけで、さりとて、全くペダルを踏まずにスタカーティシモでは興醒めなので、うまい具合にハーフペダリングして軽く残響を残しつつ、スタカーティシモを表現することになる。こんな微妙なダンパーペダルの制御をリアルなピアノでやろうとしたら、普段使っているピアノを持ち歩かないと無理だろう。

ところで、ここにStrettoがあるのは今まで知らなかった、確かにこの箇所の演奏は若干テンポを上げるケースが多いなとは思っていたが、これはちゃんと楽譜に指示があったのか。

楽譜引用はエキエル版