作品37-2は、通称「舟歌」。確かに6拍子の音型は比較的流れの速い川を下っているかのようだ。しかし、曲を通して二重音のオンパレードで、これを軽やかに粒を揃えて弾くのは下手な練習曲より難しい。
次々と調が変わっていくこの曲は、フォーレを想起させるが、もちろん時代的に言えば、こちらの曲の方が先なわけで、もしかしたらフォーレが参考にしたのかもしれない。この次第に調が失われていくところも、段々と色彩が消えていくようで趣深い。
もう1つの主題は素朴で暖い音型で、例によって三部形式かと思いきや、2つの主題が交互に表れる形式になっている。
最後の部分。ここの推移も見事だ。
そして2つ目の主題が少しだけ表れて静かに曲を閉じる。
楽譜引用はエキエル版から。