試聴と稼動テスト

 残念ながら,測定器を持っていませんので測定が出来ません。甚だ主観的で申し訳ないのですが,耳で感じた部分をご報告致します。

 まず,残留ノイズですが,スピーカのそばまで行くとはっきり聞き取れます。ジーという音なので,ダイオードからのノイズと思われます。ファーストリカバリタイプにしたのですが完全には取り切れていないようです。これを取るには半導体によるフィルター回路を 211 の電源部に入れる必要がありそうです。ただリスニングポジションには聞こえませんし,211 の電源部をいじるのはイヤなのでそのままにしてあります。

 各種遅延装置が入っていますので,電源を入れてから音が出てくるまでは 1 分くらい待つ事になります。ドキドキしながら,電源 off/on を何度も繰り返したりしましたが,特に問題は無いようです。既に 1 年半程使っていますが,故障も無く順調に動作しています。

 音の感じは,非常にクリアでクッキリとした明解な音です。EL-34 シングルと聴き比べますと,EL-34 シングルのアンプはピアノのソロを静かに聞く場合には大変良い素性を持っていますが,音量が大きくなると明らかに音質が曇りがちになります。また,全体にこじんまりした感じの傾向を持ちます。211 はこれが無く,音量が上がっても破綻しません。これはおそらく EL-34 側が 20dB の負帰還をかけていることも影響していると思われます。図体の大きさからもっとパワフルな押しの強さを感じるかと思いましたが,そういうタイプではなく,非常に透明な音で,弦やピアノのソロと相性が良いようです。と同時に,ソースの質が気になるようになりました。元々の録音がひどいソースが多いこと... SACD も結構ですが,現在の録音で CDDA の16 bit 帯域をキチンと使い切っているものはどれだけあるのでしょうか。

 最近,トランスメーカ,タンゴの廃業,三栄無線の閉店など,自作オーディオを楽しむ人間にとっては寂しい出来事が相次いでいます。そのうち部品はすべて海外から取り寄せないとダメな時代になってしまうのでしょうか... 日本からは古いものがどんどん無くなって行くような気がしてなりません。残念です。



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