るいもの戯れ言

今回のお題は、2値(白黒)+alpha(透過付き)のgifファイルを読み込み、その中の黒を赤として描画したいというもの。要は「選択状態」の描画を赤色でしたい。だけど元の画像ファイルは2値(白黒)だよ。という状況。

Pixbufは、2値の画像読み込んだ場合でも、中ではRGBAそれぞれに8bitを割り当てているようだ。なので、ピクセル操作は思ったより簡単だった。


fn to_red(pixbuf: &Pixbuf) {
    assert!(
        pixbuf.get_colorspace() == gdk_pixbuf_sys::GDK_COLORSPACE_RGB,
        "Unsupported color space: {}", pixbuf.get_colorspace()
    );
    assert!(pixbuf.get_has_alpha(), "This image does not have alpha channel");
    let n_channels = pixbuf.get_n_channels();
    let w = pixbuf.get_width();
    let h = pixbuf.get_height();
    let rowstride = pixbuf.get_rowstride();
    let mut buf: &mut [u8] = unsafe {
        pixbuf.get_pixels()
    };

    for y in 0..h {
        for x in 0..w {
            let offset = (y * rowstride + x * n_channels) as usize;
            let r = buf[offset];
            let g = buf[offset + 1];
            let b = buf[offset + 2];
            let a = buf[offset + 3];
            if r == 0 && g == 0 && b == 0 {
                buf[offset] = 255;
            }
        }
    }
}

一応colorspaceと、alpha付きであることをチェック。


    assert!(
        pixbuf.get_colorspace() == gdk_pixbuf_sys::GDK_COLORSPACE_RGB,
        "Unsupported color space: {}", pixbuf.get_colorspace()
    );
    assert!(pixbuf.get_has_alpha(), "This image does not have alpha channel");

あと、注意としてパディングされている可能性があるので、rowstrideにyを掛けてやる必要があるようだ。get_pixelsは、&mut [u8]が返ってくるので、大胆にもそのまま中をいじれてしまう。RGB全てが0(黒)なら、Rだけ255にしてやる。


    for y in 0..h {
        for x in 0..w {
            let offset = (y * rowstride + x * n_channels) as usize;
            let r = buf[offset];
            let g = buf[offset + 1];
            let b = buf[offset + 2];
            let a = buf[offset + 3];
            if r == 0 && g == 0 && b == 0 {
                buf[offset] = 255;
            }
        }
    }

コードは、GuiHubに置いておいた。

コメントを書き込む
#199
2017/01/21 10:57

Rustで以下のようなJavaのenumを実現したい。


public enum SharpFlat {
    SHARP(1), DOUBLE_SHARP(2), NATURAL(0), NULL(0), FLAT(-1), DOUBLE_FLAT(-2);

    private final byte offset;

    private SharpFlat(int offset) {
        this.offset = (byte)offset;
    }

    public int getOffset() {
        return offset;
    }
}

RustのenumはJavaとかのenumとは考え方が違って直和型の定義のようだ

structで定義してもいいけど、enumになっていればexhaustive checkされるので、やはりenumの方がありがたい。試してみると、enumもtraitを実装できるので、以下のようにすることで解決できた。


enum SharpFlat {
    SHARP,
    FLAT,
}

trait HasOffset {
    fn offset(&self) -> i8;
}

impl HasOffset for SharpFlat {
    fn offset(&self) -> i8 {
        match *self {
            SharpFlat::SHARP => 1,
            SharpFlat::FLAT => -1,
        }
    }
}

fn foo(sharp_flat: Option<SharpFlat>) {
    match sharp_flat {
        None => {
            println!("none");
        },
        Some(SharpFlat::SHARP) => {
            println!("sharp {}", SharpFlat::SHARP.offset());
        },
        Some(SharpFlat::FLAT) => {
            println!("flat");
        },
    }
}

fn main() {
    foo(Some(SharpFlat::SHARP));
}

コメントを書き込む
旧サイト閉鎖。こちらにリダイレクトするようにしました。
コメントを書き込む

ショパンのノクターンの代名詞とも言える有名な曲。

構成は単純だけど、楽譜上、作曲者の指示が非常に多く、その1つ1つをどう表現するかが腕の見せどころとなる。第1小節目、左手にはスタカート指定。

続く小節にはスタカート無し。Sempreも無しなので、第1小節だけだ。

ただダンパーペダルを踏む指示もあるので、踏み込んでスタカートとなれば聴感上はスタカートあっても無くても変わらない。なので気にしないという考えもあるだろう。実際そう弾いているピアニストも多い。しかしわざわざ、このように楽譜上の表現を変えているのだから、やはりスタカートをきちんと生かすべきだろう。つまりスタカートの部分ではダンパーペダルは、踏まないかハーフペダルとしてスタカートを生かすべきだ。

最後のクライマックスにも同様なスタカーティシモ指定。

ここもペダルを踏み込んでスタカーティシモでは違いが分からないわけで、さりとて、全くペダルを踏まずにスタカーティシモでは興醒めなので、うまい具合にハーフペダリングして軽く残響を残しつつ、スタカーティシモを表現することになる。こんな微妙なダンパーペダルの制御をリアルなピアノでやろうとしたら、普段使っているピアノを持ち歩かないと無理だろう。

ところで、ここにStrettoがあるのは今まで知らなかった、確かにこの箇所の演奏は若干テンポを上げるケースが多いなとは思っていたが、これはちゃんと楽譜に指示があったのか。

楽譜引用はエキエル版

コメントを書き込む

GTK+のGtkScrolledWindowを使っている時に、スクロールバーが表示されなかったり、無用な描画要求が多量に来て困っていたのだが、Gladeの設定にあるOverlay Scrollingというオプションをオフったら、嘘のように直った。なんなんだろう、これ。

コメントを書き込む
#195
2017/01/20 07:10

Cairoを使ってアプリケーションのクライアント領域を描画しているのだが、再描画が必要な領域を知るため、最初は、cairo-clip-extentsを使っていた。ただ、これだとどうも、毎度全域を描画するように指示がくる。

もう1つ、cairo_copy_clip_rectangle_listというAPIもあり、こちらはより細かく、再描画が必要な複数の矩形領域を返してくれる。これら2つを表示してみると、こんな感じ。


cairo-clip-extents: (855, 91, 862, 817)
cairo_copy_clip_rectangle_list[0]: Some(cairo_rectangle_t { x: 855, y: 91, width: 7, height: 726 })

cairo_copy_clip_rectangle_listをそのまま使うか、これで返ってきた領域の和集合を計算して、そこに対して再描画するのが良さそう。

コメントを書き込む
#194
2017/01/20 06:49

ショパン・ノクターンを出したのだけど、相変わらずSoundCloudは何でもかんでも海賊版警告が出て面倒なのでupするのやめた。日本でもSpotifyが始まったので、そちらでどうぞ(無料会員でもCMが入るけど聴けます)。

ただ、Spotifyは、かなりキツ目のダイナミック・レンジ圧縮が勝手に入ってしまって、特にクラシック音楽は音質が落ちてしまうのが難点。Apple Musicとかに入っている方は、そちらの方が良いかも(他のディストリビューションはこちら)。

今回は、作品9から37までの12曲。楽譜はエキエル版を参考にした。全般にテンポ指定がかなり速め。このテンポ通りに弾いているピアニストは、あまりいないんじゃないだろうか。でも本当は、もっとサラっと弾くべきなのかもしれない。

第1曲。全音の楽譜では、ほぼ全域でダンパーペダルを踏む指示なのだけど、エキエル版では、ごく一部にしかない。1つ目は出だし。

第1小節(弱起なので)にダンパーベダルがあるが、それっきり(Sempre指定も無し)。そして中間部も出だしにあるのみ。

特に、この中間部の右手はオクターブな上に弱音なので、ペダル無しで楽譜通りに弾くのはかなり難易度高いと思う。

楽譜引用はエキエル版

コメントを書き込む

rust-jackのサンプルを見ると、


        put_p.write(&RawMidi {
                time: 0,
                bytes: &[0b10010000 /* Note On, channel 1 */,
                         0b01000000 /* Key number */, 0b01111111 /* Velocity */],
            })
            .unwrap();
        put_p.write(&RawMidi {
                time: ps.n_frames() / 2,
                bytes: &[0b10000000 /* Note Off, channel 1 */,
                         0b01000000 /* Key number */, 0b01111111 /* Velocity */],
            })
            .unwrap();

RawMidiの第一パラメータに時間情報が指定されているので、ここを色々変更して試してみた。すると、どうも大きな値を指定するとプログラムが異常終了する。


thread '' panicked at 'called `Result::unwrap()` on an `Err` value: UnknownError', ../src/libcore/result.rs:799
stack backtrace:
Jack: JackClient::ClientNotify ref = 4 name = rust_jack_show_midi notify = 3
Jack: JackClient::kXRunCallback
   1:     0x556f8a7d8a0f - std::sys::backtrace::tracing::imp::write::h6f1d53a70916b90d
   2:     0x556f8a7db50d - std::panicking::default_hook::{{closure}}::h137e876f7d3b5850
   3:     0x556f8a7daa1a - std::panicking::default_hook::h0ac3811ec7cee78c
   4:     0x556f8a7dafb8 - std::panicking::rust_panic_with_hook::hc303199e04562edf
   5:     0x556f8a7dae52 - std::panicking::begin_panic::h6ed03353807cf54d
   6:     0x556f8a7dad90 - std::panicking::begin_panic_fmt::hc321cece241bb2f5
   7:     0x556f8a7dad11 - rust_begin_unwind
   8:     0x556f8a80ffef - core::panicking::panic_fmt::h27224b181f9f037f
   9:     0x556f8a7cadf2 - core::result::unwrap_failed::hf4a2bbe780b35bc4
                        at /buildslave/rust-buildbot/slave/stable-dist-rustc-linux/build/obj/../src/libcore/macros.rs:29
  10:     0x556f8a7c8ad0 - >::unwrap::h089470f17859500e
                        at /buildslave/rust-buildbot/slave/stable-dist-rustc-linux/build/obj/../src/libcore/result.rs:737
  11:     0x556f8a7ce894 - sample::main::{{closure}}::hf2f3cb9afdb66a80
                        at /home/shanai/rust/midi-sample/src/main.rs:34
  12:     0x556f8a7cd12f - ::process::h4cdfe5f6478477da
                        at /home/shanai/.cargo/registry/src/github.com-1ecc6299db9ec823/jack-0.2.2/src/callbacks.rs:181
  13:     0x556f8a7ccef2 - jack::callbacks::process::h6e653a5eccae8773
                        at /home/shanai/.cargo/registry/src/github.com-1ecc6299db9ec823/jack-0.2.2/src/callbacks.rs:215
  14:     0x7f379543fc1d - 
  15:     0x7f379543f057 - 
  16:     0x7f379545767f - 
  17:     0x7f37950136b9 - start_thread
  18:     0x7f3794b3382c - clone
  19:                0x0 - 
fatal runtime error: failed to initiate panic, error 5

二分法で限界を探してみると、1023までなら大丈夫で、1024以上だとエラーになる。Jackのサイトにプログラミング・モデル的な解説が無いので理解に時間がかかったが、どうやらこういうことらしい。

この設定で指定したフレーム/ピリオドに指定した値が限界らしい。rust-jackではコールバックを登録するが、このコールバックは、ここで指定したフレーム/ピリオドで指定された間隔で呼ばれ、コールバック内では1フレーム内の動作のみを指定可能なようだ。なので、時間指定にはこのフレーム/ピリオドの値未満しか指定できない。で、この値の単位なのだが、1/サンプルレート 秒になる。つまり、この例であれば1/44100秒。なので、1フレームは1024/44100秒になる。分解能は1/44100秒なので、仮にテンポ=600(1分で四分音符600回演奏、つまり1秒に四分音符10回演奏)を上限とすると、四分音符の分解能は4410となる。MIDIシーケンサとしては十分な値だろう。

最後にピリオド/バッファーだが、ここで指定した個数のフレーム用バッファーが用意されるようだ。ここの値が大きければ事前にデータを準備しておけるので、コールバックでの処理が少々遅延したとしても途切れずに再生できるが、先にデータを用意しておかないといけないので、レイテンシーが増大する。この画面の右下にあるレイテンシーがそれを表しているようだ(1024 * 3 * 1/44100 = 0.0696598639)。

コメントを書き込む

Linux上でのMIDIは、今はjackを使うのが良さそうなので、ちょっと試してみることにする(Ubuntu 16.04)。使用したのはRolandのUM-1で、aplaymidiでは以下のように表示されて認識されていることが確認できる。


$ aplaymidi -l
 Port    Client name                      Port name
 14:0    Midi Through                     Midi Through Port-0
 16:0    UM-1                             UM-1 MIDI 1

jackのインストールは、


$ sudo apt install jack

インストールすると、qjackctlというアプリケーションがインストールされるので起動する。

接続というボタンを押してから、MIDIタブで、MIDIデバイス、アプリケーション同士を接続できるはずなのだが、ここにUM-1が表示されない。

かわりに、ALSAタブにUM-1が表示されている。

jackのドキュメント見ると、ALSAで認識されるデバイスは全て使えるよと書いてあって、なぜ認識されないのか散々悩んだのだが、どうもこれはMIDIには適用されないようだ。それでALSAで認識されたMIDIを、jack側にブリッジしてやる必要がある。といっても、単にa2jmididというブリッジアプリケーションを上げておけば良いようだ。インストールして


$ sudo apt install a2jmidid

あとは実行してやる(この時に-eオプションを付けないと、うまくいかない)。


$ a2jmidid -e
JACK MIDI <-> ALSA sequencer MIDI bridge, version 8 (7383d268c4bfe85df9f10df6351677659211d1ca) built on Thu Jan  1 09:00:00 1970
Copyright 2006,2007 Dmitry S. Baikov
Copyright 2007,2008,2009,2011,2012 Nedko Arnaudov

Bridge starting...
Using JACK server 'default'
Hardware ports will be exported.
Bridge started
Press ctrl-c to stop the bridge
port created: Midi Through [14] (capture): Midi Through Port-0
port created: Midi Through [14] (playback): Midi Through Port-0
port created: UM-1 [16] (capture): UM-1 MIDI 1
port created: UM-1 [16] (playback): UM-1 MIDI 1

再度Qjackctlで接続ボタンを押してみると...

UM-1には、INとOUT端子しかないのだが、どうも回路的にはMIDI throughもあるようで、これが一緒に認識されている。ここにつないでも意味が無いので注意が必要だ(起動オプションの-eを付けないと、このMIDI throughの方しかブリッジされなくて、これまたしばらく悩んだ)。

Update: 実際はブリッジ無しでも利用可能なことが分かった。

コメントを書き込む

前回の記事で、a2jmididを使ってブリッジしないと、jackでMIDIが利用できないと書いたが、私の勘違いだったようだ。qjackctlでalsaを使う設定をする時なのだが、

インターフェースのところに、MIDIだとMIDIデバイス(UM-1)を指定したくなるのだが、これではダメで、aplay -lで表示されるデバイスを指定する必要がある。


$ aplay -l
**** ハードウェアデバイス PLAYBACK のリスト ****
カード 2: PCH [HDA Intel PCH], デバイス 0: ALC887-VD Analog [ALC887-VD Analog]
  サブデバイス: 0/1
  サブデバイス #0: subdevice #0
カード 2: PCH [HDA Intel PCH], デバイス 1: ALC887-VD Digital [ALC887-VD Digital]
  サブデバイス: 1/1
  サブデバイス #0: subdevice #0

大事なのは、MIDIドライバーと書かれた項目で、ここにseq/rawを指定する必要がある。このseq/rawの違いは、ここの"Currently the two MIDI routing systems coexist, and this leads to some confusion."の部分が詳しい。かいつまむと、ALSA API経由でMIDI使うことが無いのなら、rawでok(rawだと、jackがデバイスを排他オープンするので、ALSA経由で利用できなくなる)。そうでなければseqを選ぶ。互換性的にはseqを指定しておく方が良さそう。こうしておけば、接続設定の中でMIDIのタブに表示されるようになるので、a2jmididは不要になる。

コメントを書き込む
1 / 2