るいもの戯れ言

この曲も、様々なテーマが次々と登場する。

どのテーマも、ほのぼのとした暖かいもの。

1つ1つは違うテーマなのだが、雰囲気が非常に似ている。

展開部は、最初のテーマが短調で現れる。

様々なテーマが現れるこれまでの初期の作品とは異なり、展開部は基本的に提示部のテーマがきちんと展開される。

再現部は、一通り提示部の内容が繰り返された後、最初のテーマが再度現れて靜かに終わる。

楽譜引用はヘンレ版から。

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即興的なロンド。単純なテーマが繰り返し用いられる。

雰囲気が変わってゆっくりとしたテーマが現れる。

ロンドとなっているが、多分にソナタ的で展開部は、このテーマが主に展開される。

再現部の最後に、最初のテーマが変化を伴って現れる。

楽譜引用はヘンレ版から。

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第2楽章は民謡のようなテーマを用いた複合三部形式。最初の主題は物憂げな、あるいは何やら靄のかかったような、すっきりとしない雰囲気。

そのまま最初のテーマが展開される。

ここは、最初のテーマの一部の反転型だろうか。

中間部は暖かな、安堵を思わせるテーマ。しかしやはり何か霞がかかったような、夢の中のような、ぼやっとした風景を感じさせる。実は、ここで既に幻想風ソナタの萌芽が生まれていたのかもしれない。

Codaは中間部のテーマが繰り返されて、霞の中に消えていくように靜かに終わる。

楽譜引用はヘンレ版

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この曲も初期の曲らしく、経過句のような簡単なテーマが次々と登場する。

このテーマも、とても単純だ。

続くテーマ

ここは、左手で最初のテーマの変形が奏される上に、右手に直前のテーマが重ねられる。

3連符になるが、直前のテーマの繰り返し。

展開部は、最初のテーマが短調で奏されるが、すぐに終わって新しいテーマが現れる。

展開部最後は左手で最初のテーマが奏されるものの、あまり展開部な感じはなく、ほとんどが新しいテーマとその展開に終始する。

再現部は左手に変化が加えられている。

ひととおり再現されたあと、最後は最初のテーマが少しずつ靜かに沈んでいって終わる。

楽譜引用はヘンレ版から。

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第3楽章はロンド。初期の頃に何度も試みられていた様々なテーマを出現させる構成が結実している。この曲はまた緩急を効果的に使うことに成功している。

曲は何かに追い立てられるような旋律で始まる。

スケール主体の最初の主題と異なり、アルペジオ主体の主題。

再びスケール主体のものが現れる。

対照的なゆったりとした和音で構成される長調となる。

そしてスケール主体な印象的なクライマックス。

ここも対照的なゆったりとした雰囲気となる。

ここは、最初のテーマの一部が展開される。

最後に、曲の終わりを感じさせるテーマが2つ現れて展開される

最後の最後にゆっくりとしたテーマが現れる印象的に終わる。

楽譜引用はヘンレ版

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第2楽章は、暖かな春の日差しを思わせるような優しい旋律を持ちいたロンド。ロンド形式は、これまでは速い楽章で用いられることが多かったので、これも新たな試みの1つなのだろう。

短調となるが、深刻な感じとはならずに引き続きのどかな雰囲気が続く。

最初のテーマが伴奏に少しアレンジが入って繰り返される。

再度短調となる。ここは次第に激しさを増していくが、深刻な感じはなく、通り雨が通り過ぎていったかのよう。

再度、最初のテーマ。やはり伴奏にアレンジが入っている。

経過句のような短かなパッセージが入って靜かに終わる。

楽譜引用はヘンレ版

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有名な悲愴ソナタ。7番で4楽章制に回帰していたが、8番では3楽章制に戻っている。曲はGraveの序奏で始まる。この序奏は単なる序奏に留まらず曲全体で使われる。

序奏内でもテーマの展開は始まっている。長調の出だしと激しい短調の組み合わせは、葛藤を思わせる。

序奏が終わり、左手のトレモロの上に、最初のテーマが現れる。ここはpで音量を抑えていることが絶大な効果を上げている。

2つ目のテーマも、前半後半に分かれており、やはり何か葛藤を思わせる。

繰り返しの後、展開部に入る前に序奏が再度現れる。

展開部が始まり最初のテーマが展開される。

左手で不気味な音型が繰り返される。

ここでは最初の主題の後半部分が展開される。

再現部を経て、最後にもう一度序奏が現れた後に、最初のテーマが奏されて劇的に終わる。

楽譜引用はヘンレ版から

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第4楽章は、ロンドだが全般にメロディらしいメロディが無く即興的だ。最初のテーマは曲全体を通して繰り返して用いられる。

次のテーマも音階をベースとして捉えどころがない。

次は半音階。

最初のテーマが帰ってきた後のこのテーマも簡素なものだ。

最後は、なかば唐突に終わりを告げる和音が現れて靜かに終わる。

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一時3楽章構成になっていたが、第7番は、4楽章構成に戻っており、第3楽章は、なんともかわいらしいテーマのメヌエット。楽章全体を通じて明い雰囲気につつまれる。

最初のテーマの変化したものが左手で奏され、

クライマックスに逹っする。

トリオも長調で、テーマの雰囲気も似ている。

楽譜引用はヘンレ版から。

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宗教音楽のような荘厳な楽章。

次のテーマも重々しい。

ここの特徴的なスタカートは後で何度も利用される。

幻想的な中間部は長調となり、暖かな水の中をただようかのようだ。

突如激しい雷のようなテーマが奏され、それに受け答えるようなテーマが続く。このような厳粛な雰囲気も宗教曲を思わせる。

最初のテーマが再現される。

左手に最初のテーマが現れて、

どんどんと変化していく様は見事だ。

楽譜引用はヘンレ版

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