後期ソナタの特徴の1つが第2楽章だ。緩徐楽章は姿を消し、力強い楽章が配置されている。
符点のリズムが特徴的。
印象的なカノンが配置されている。
推移部を伴って最初に戻る。
楽譜の引用はヘンレ版
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第28番は落ち着いたテーマで構成される小さなソナタ。
この曲では、特徴的なスラーのかかった音型が登場する。
展開部は小規模で、再現部も分かりにくく、幻想的な雰囲気に包まれる。
楽譜引用はヘンレ版から。
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第2楽章は、優しい旋律に囲まれた夢見るような楽章。それでいて、どこか寂しい雰囲気がただよう。
全体に流れるような雰囲気で、優しい風が吹いているかのよう。
何かを問いかけているのか、あるいは試行錯誤しているかのようだ。
眩しい光の中を進んでいくかのよう。
ゆっくりと歩いていくかのような旋律。
後半、ここで流れは止まり、色彩が消えていくが、またすぐに最初のテーマが帰ってくる。
最後に新しい流れるような旋律が現れて、かわいらしく終わる。
楽譜引用はヘンレ版から。
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第27番も2楽章しかない小規模なソナタ。最初のテーマは葛藤なのか覚悟なのか。
2つ目のテーマは、1つ目に呼応するかのような静かなもの。
次第にテンポが上がって行き、嘆きを表現するかのような和音が連打される。
この楽章は10度が頻出する。左手の10度跳躍の上に、右手はテーマになり切れない音型が繰り返される。空虚な心情を表すかのようだ。
右手の速いとりとめもない動きの上で、左手で2つ目のテーマが奏される。
再度最初のテーマに戻る。
最後は2つ目のテーマがppで繰り返されて静かに終わる。
楽譜引用はヘンレ版から。
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第2楽章は「不在」。形式は複合2部形式。寂しげな憂鬱なテーマで始まる。
2つ目のテーマは、昔の思い出を懐しむかのような明いもの。
この2つのテーマが繰替えされた後、休み無しで第3楽章に入る。
第3楽章は「再会」。最初に序奏があり、再会の喜びが表現される。
最初のテーマは、やはり懐しむかのような。透き通ったもの。
初期の作品に見られたような、色々なテーマのパレードが始まって、再会の喜びが表現される。。
展開部。展開部は最初のテーマの展開で始まることが多いが、新しいもので始まる。
すぐに再現部となる。
最後に、アンダンテとなって、しんみりとした場面となる。
自分の家に帰ってきて、今日1日の思い出を噛み締めているかのようだ。
楽譜引用はヘンレ版から。
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ルドルフ大公との告別と再会をテーマにしたと言われる。曲はソナタ形式だが、最初に序奏が置かれ、最初の3音にLebewohlと書かれている。
アレグロで2つ目のテーマが奏される。
この部分はトリルが繰り返され、心の揺れ動きを表しているかのようだ。
展開部。
2つ目のテーマが左手で繰り返されるものの、あまり大きな展開は見られない。
再現部。
再現が一通り終わったあと、最初のテーマが右手と左手とで交互に奏され、2人で離れていきながら、手を振って別れを惜しんでいるかのようだ。
楽譜引用はヘンレ版から。
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複合三部形式。なんとも陽気な民謡のようなテーマを用いた短い楽章。
踊っているかのような、あるいはおどけているかのようなテーマ。最初のテーマと、このテーマが曲全体で使われる。
楽譜引用はヘンレ版から。
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三部形式。長い階段を登っていくかのような、あるいは人生の苦悩をつづるかのようなテーマで始まる。
中間部は左手で流れるような16分音符が奏され、夢の中のような、あるいは暖かな風が吹いているかのような場面となる。
最初のテーマが繰り返される。
最初のテーマが右手に現れつつ、左手には中間部の流れる音型が組み合わされるという興味深い展開が現れて終わる。
楽譜引用はヘンレ版から。
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ここに来て、第2楽章に緩徐楽章を配置する3楽章制の古典的なソナタに回帰する。
第1楽章は主題の音型から「かっこう」と呼ばれることがある。
第1楽章は全体に明るいテーマで構成される。
展開部は転調するが長調のまま。
かっこうのテーマが展開される。
転調を織り交ぜるが、大きな発展は無くかっこうのテーマが繰り返される。
再現部。
展開部と再現部は繰り返しとなっている。
再現部の後に終わりを告げるパートがあり、左手で最初のテーマが奏される。
楽譜引用はヘンレ版から。
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第12番の終楽章、第22番の終楽章と、このような調性の薄い高速な楽章がたまに現れる。
1つ目のテーマは、符点を主体としたもの。
もう1つは、16分音符2つがスラーでつながった音型。この2つが自由に展開される。
この音型が曲全体で繰り返し使用される。
曲は自由な構成だが、この音型が何度も使用されるため、不思議なまとまりを感じさせる。
楽譜引用はヘンレ版から。
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