ベートーヴェンのピアノソナタには、時折、このような調性が薄く速い、即興的な楽章が登場する。明確なテーマは無く、混沌とした中にメロディがたまに顔を見せる、印象的な楽章だ。
左手にテーマらしきものがあるが、発展するわけでもなく消え入ってしまう。
ここもリズムが印象的だが、発展性は無い。
中間部も、相変わらずテーマらしきものは無く、押し流されるように進んでいく。
最後に、終わりを告げるテーマが現われて静かに終わる。
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楽譜引用はヘンレ版から。
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第3楽章は葬送行進曲。ある英雄の死を悼むと記載がある。重厚な和音の進行で始まる。この和音の解釈が演奏上は結構迷う。上から2つ目の音を旋律として見るのか、一番上の音を旋律として見るのか、箇所によってそれらを変移させるのか。
中間部は、長調になって大音量となり、日本人的には、これが葬送行進曲なのか? と不思議になるが、英雄の死を悼む時には太鼓や弔砲などが奏されるので、その表現なのかもしれない。
中間部が終わると、同じテーマが繰り返される。あまり展開は無く、粛々と進む。
最後に終わりを告げるテーマが現れて静かに終わる。
楽譜引用はヘンレ版から。
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第2楽章はスケルツォ。元気の良いテーマが様々に展開される。
様々なテーマを繰り出すこれまでのソナタと違い、最初のテーマが何度も使われる。
ここでは左手にテーマが現れる。
トリオも長調が続くが、和音ベースの柔らかなもの。
楽譜引用はヘンレ版。
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ソナタ第12番も、11番に引き続き4楽章構成だが、これまでと異なり、変奏曲、スケルツォ、葬送行進曲、ロンドという新しい構成が試みられている。
第1楽章は、暖かな日射しと快い風を思わせるような、明いテーマで始まる。
第1変奏は、アルペジオ主体。
第2変奏は、右と左とで互いに奏しながら、左手でテーマを奏する。
第3変奏は、短調となるが、やはり右と左とで、ずれて奏される。
第4変奏は、テーマの3音を2音に減らす変化が加えられる。
第5変奏は、3連符で流れるような変奏。
最後に、終わりを告げるテーマが表れて静かに終わる。
楽譜引用はヘンレ版。
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ソナタ第11番は、第4楽章まで全て長調。曲は即興的なテーマで始まる。
2つ目のテーマも長調。
展開部は2つ目のテーマが短調で展開される。
もこもとしたテーマが続く。
再現部は最初のテーマが左手に表れる。
ここは三連符による変化。
最後まで明い雰囲気で終わる。
楽譜引用はヘンレ版。
第1, 2楽章に続いて、第3楽章も長調が続く。11番は古典的な4楽章のソナタで3楽章にはメヌエットが配置されている。
最初のテーマが繰り返された後は、二重音を使用したテーマが現れる。
中間部は、高速なスケールを主体とした短調で対比が見事。
楽譜引用はヘンレ版。
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第1楽章が長調なら、多くのケースで第2楽章は短調となるところだが、第11番では、第2楽章は引き続き長調で、のどかな雰囲気となっている。また第2楽章としては珍しくソナタ形式となっている。
青空を見上げるような爽やかなテーマが続く。
そして、そよ風のようなテーマで終始明い雰囲気が続く。
展開部は短調で開始し、最初のテーマが展開されていく。
再現部。
最後までのどかな雰囲気が続いて終わる。
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第11番は、元気の良い主題で始まる。
この曲も様々なテーマが次々と登場し、初期ソナタの代表作と言える。
どのテーマも明るい光に溢れている。
ここで少し落ち着く。
スケール主体の力いっぱいのテーマ。
展開部は最初のテーマで始まる。
展開部では、このテーマが繰り返し用いられる。
最初のテーマが再現されて終わる。
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珍しくスケルツォが最終楽章に配置されている。新たな試みへの挑戦なのかもしれない。テーマはどれも即興的で素朴なものが活用されている。
最初のテーマはスケール主体で、次のテーマはアルペジオ主体。
民謡風なテーマが現れる。
ここもスケール主体の素朴なもの。
最後は、最初のテーマが再度現れて終わる。
楽譜引用はヘンレ版
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なんとも、かわいらしい行進曲のような変奏曲。
最初のテーマと、次のこのテーマが変奏される。
ここから変奏。
最後は、最初のテーマがそのまま繰り返されて、少しおどけた感じで終わる。
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