最も有名なソナタの1つ。第一楽章は基本となる幾つかの音型が何度も使用される、お馴染のパターン。最初は独特なリズムを持った不気味なテーマで始まる。
その後にトリルを伴ったテーマ。この音型は、第2楽章の最初のテーマに似ている。
そして、運命の動機。このテーマも曲全体で何度も用いられる。
長調になって暖かなテーマが現れるが、実際は最初のテーマの変形。
16分音符の激しいテーマ。
展開部。最初のテーマが徹底的に展開される。
左手の八分音符の連打の上に最初のテーマが再現され、独特の緊張感を与える。
ここからアルペジオ主体で自由に激情がひとしきり表現される。
ここからアレグロに戻り、ffで運命の動機が奏されて、楽章の最後を飾る。
最初のテーマが繰り返されて静かに終わる。
楽譜引用はヘンレ版。
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第2楽章は、モコモコとした速い音型で構成され、メロディーらしきものが無い。
最初のリピートが終わると、調が変わって最初の音型が現れる。
この右手に現れるリズムが、この後、曲全体で重要な役割を果たす。
最後にPiu Allegroとなって最初の音型が現れて、曲の終わりを告げる。
最後は例のリズムが左手で繰り返されて終わる。
楽譜引用はヘンレ版。
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大作21番と23番の間にはさまれたこの曲は2楽章構成の短かなもの。第1楽章はロンド形式を基本にしている。ゆっくり歩くかのような最初のテーマ。
次のテーマは、オクターブを基本としたもので明確なメロディーらしきものが無く、リズムを主体としてる。
最初のテーマ。
2番目のテーマが繰り返されるが、最初よりも長さは短い。
再び最初のテーマに戻る。
最後に幻想的な新しいテーマが出てきて、ロンドらしくなってきたかと思うと、ここで静かに終わる。
楽譜引用はヘンレ版から。
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このソナタの第2楽章は、もともとAndante Favoriが配される予定だったが、友人からの助言により、現在の序奏に置き換えられたという。
序奏の後はロンド形式だが、最初に現れる左手のテーマが曲全体を通して展開され尽くす。
トリルの上に、テーマが現れてクライマックスとなる。
ロンドなので別のテーマがぐるぐると現れるものの、それはテーマと呼ぶには曖昧で、やはり最初のテーマが曲全体を支配する。
2回目の最初のテーマ。
最初のテーマが繰り返された後は短調に転じる。
しかしここでも最初のテーマが展開される。
幻想的な場面が現れるが、ここでも最初のテーマが左手に現れる。
3回目の最初のテーマ。
3回目は、1回目の流れに似ているが、遠くへ飛び立っていくかのように発展していき、最後には、やはり最初のテーマが現れる。
最後にプレスティッシモが配置されて、技巧の限りが尽くされる。
ここでも、最初のテーマへの執着が見られる。
ppで、オクターブを高速に弾くことが要求される難所。
最後の最後もやはり最初のテーマで締めくくられる。
楽譜引用はヘンレ版から。
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作品49とはうって変わって大規模ソナタの復活。和音の連打の中に、小さなパッセージが現れるが、これが曲全体で重要な役割を果たす。
2つ目のテーマは、対照的な柔らかい和音の上で奏でられる。
このアルペジオは一見経過句のようだが、この後、展開部で重要な役割を果たす。
このあたりはすっかりノリノリだ。
展開部。
最初は1番目のテーマが展開される。
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次は3番目のテーマが展開される。
再現部。
最後にもう一度最初のテーマを用いた見せ場が用意されている。
楽譜引用はヘンレ版。
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第2楽章はロンド形式のメヌエット。曲全体を通じて長調で構成されており、符点を主体とした暖かなテーマが用いられている。
最初のテーマの変形。
スケール主体の推移部が続く。
2つ目のテーマは、元気いっぱい。
付点を引き連れて最初のテーマが戻ってくる。
全く新しいテーマが現れる。ここも元気いっぱいだ。
再度最初のテーマが繰り返される。
最後の変形が曲の終わりを告げる。
楽譜引用はヘンレ版。
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第20番も、小さなソナタ。最初のテーマはアルペジオ主体な簡素なもの。
最初のテーマの変化型か。
2つ目のテーマはアルペジオとは対照的で、ニ長調に転じる。
展開部は最初のテーマが短調で奏される。
しかしテーマの展開は無く、全く新しいテーマが現れる。
すぐに再現部が現れて終わる。
楽譜引用はヘンレ版。
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第2楽章は、軽快なリズムのかわいらしいロンド。
このテーマは曲全体を通して使われる。
ここは同じ音型で、スラーの位置が変わり長調となる。
最後は、最初のテーマに若干の変化を入れて繰り返されて終わる。
楽譜引用はヘンレ版から。
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作品49の2曲は、どちらも2楽章しかない規模の小さな作品。第1楽章は憂鬱なテーマで始める。
リズミカルな2つ目のテーマ。
展開部。意表をついて2つ目のテーマの出だしが展開される。
再現部。
最後は、2つ目のテーマが左手に現れて静かに終わる。
楽譜引用はヘンレ版から。
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