最終楽章は、プレスティシモでピアノとフォルテをスタカートで繰り返すダイナミックな音型で始まる。
2つ目のテーマは、最初のテーマと対照的に憂鬱に上下する滑らかな旋律で、右手と左手とで同時に奏でられる。
下降するテーマが繰り返された後に、1つ目のテーマにつながっていく様は見事だ。
展開部は、長調となり左手の三連符が止んで、まるで雨が上がったかのようだ。
新たなテーマが展開を伴って繰り返される。
この曲は様々なテーマが現れて、若き日の意欲的なベートヴェンを思わせるが、再現部に入るまでのこの部分は、何度も最初のテーマが繰り返されて使用され、1つのテーマを様々に活用する往年のベートーヴェンの片鱗を伺わせる。
楽譜引用はヘンレ版
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